2024年05月21日

キューバ共和国法律第148号「食料主権・食料・栄養安全保障法」タイトルⅥ・Ⅶ・Ⅷ

タイトルⅥ 食品の加工及び販売

第Ⅰ章 予備規定

第75条 食料の加工及び販売に携わる者は、食料主権及び食料・栄養安全保障のため、以下の事項を保証するものとする
 a) 人及び家畜が消費する食品の品質と安全性を、施行されている規制に従って保証すること
 b) 施行されている規制を遵守し、より効率的、かつ、安全に作業と工程を実施することを可能にする品質管理システムを段階的に導入すること
 c) バリューチェーンにおけるリスク分析手法を管理制度に組み入れること
 d) 地域資源を利用した適切なバリューチェーンで物流を管理すること
 e) 食品の価格設定と販売の政策を遵守すること
 f) 管轄機関の要求事項に従って、食品の品質と価格とを一致させること
 g) 生産者による製品の包装、包装システム、フォーマット、プレゼンテーションのアクセスと多様性
 h) ローカルでの食品加工・利用能力を高めること
 i) 短く多様な販路を最優先すること
 j)食料の供給での安定性、多様性、物理的・経済的な値段の手頃感

第76.1条 食品の加工及び販売に関与する主体は、フードチェーンの様々な段階を通じて、食品又はその成分の履歴又は所在を特定するため食品トレーサビリティシステムを確立すること

2. 前項で言及された関係者は、食品トレーサビリティシステムの構成要素に準拠した食品の品質及び安全性を宣言するため、その効力を有する法律の規定に従い、既存の検査機関を利用することができる

第Ⅱ章 食品加工

第 77.1 条 ローカルフードシステムを構成する主体は、住民による消費を意図した食品へと食品を加工することができる

2.食品加工とは、未加工又は生鮮の製品又は原材料を、その目的のために承認された技術を使用して食品に変えるために使用されるあらゆる方法をいう

第78条 食料の転換のために、ローカルフードシステムを構成する主体は、以下のことを行わなければならない
 a) この問題に関して施行されている法律の規定を遵守すること
 b) 必要な許可、ライセンス、その他の現地規制を含め、適宜、対応する商業登記、環境、テリトリー・都市計画、土壌管理、水資源、エネルギー、動植物衛生及び消防機関が要求する認可を受けること
 c) 必要に応じて、原材料の原産地とその工程での投入資材を報告すること
 d) 各工程で設定された技術的パラメータを遵守すること
 e) 必要とされる品質での原材料と投入資材を使用すること
 f) すべての食品製造において、包装の品質と表示基準の遵守を確保すること

第Ⅲ章 食品のマーケティング

第79条 食品販売の関係者は、消費者が食品の所在を知ることができるように、流通システムにおいて食品又は食品サービスの位置付けを組織すること

第80条 この目的のため、食品販売関係者は以下のことを行わなければならない
 a) その効力を有する法律の規定を遵守すること
 b) 必要な許可、ライセンス、その他の現地規制を含めて、適宜、対応する商業登記、公衆衛生、環境、テリトリー・都市計画、土壌管理、水資源、エネルギー、動植物衛生及び消防機関が適切な場合に要求する認可を受けること
 c) 適用される消費者保護規制を遵守すること
 d) 製品の価格設定に関する規定を遵守すること
 e) 短い流通とクローズド・ループ・バリューチェーン・アプローチを推進すること
 f) 施行されている規制に従った表示の遵守を義務付けることにより、製品の栄養と原産地に関する消費者情報システムを改善すること
 g)市場における食品の持続的な存在を可能にするメカニズムを設計すること

タイトルVII 資源へのアクセス

第1章 予備規定

第 81 条1  ローカルフードシステムの主体は、平等な条件で地域資源を、その原産地から最終消費者が食品を入手するまでのフードチェーン全体において利用できるようにするものとする

2. 前述の関係者は、天然資源にアクセスして利用するために、対応する法的規制の規定を遵守して行動しなければならない。

第82条 市町村に存在する資源を活用し、食品を生産するためにローカルなフードシステムを統合する主体は、以下を考慮するものとする
 a)資源のポテンシャルを活かして発展させることで、外部からの投入資材への依存を最小化すること
 b) 開発すべき生産物を特定することによって、物質的・非物質的な地域資源を状況に応じて管理すること
 c) その設立と運営は、定められた法的規則に従わなければならないが、食品の生産と加工における生産性と効率性の向上を促進する、自己管理型の経済的・技術的モデルとメカニズムを導入すること
 d) 植物、微生物、動物の遺伝資源の生産と保全のローカルでの管理
 e) 多様な生鮮食品と加工食品がより多く利用できるようにし、住民一人当たりの生産性を向上させる持続可能な生産システムを取り入れること
 f) 天然資源の持続可能な管理と合理的利用のための施策の採択及び再生可能エネルギーの利活用を拡大すること
 g) テリトリーや国の機関が獲得した科学的成果の開発と応用において、科学と実践の間の体系的なフィードバックに基づき、ナレッジ・マネジメント(la gestión del conocimiento)と科学とイノベーションを統合すること
 h) 管轄当局の勧告に従った農業改良普及と技術革新のローカルなシステムの実施
 i) 小規模及び中規模な機器の輸入と商業化よりも、国内生産と規制を優先すること
 j) 農村部門における生活の質を向上させるためのイニシアチブを開発するための戦略のデザイン、評価、管理及び資源の配分を介して農村からの移住を逆転させ、雇用の安定を維持するためのインセンティブを高めること
 k) 多様な資金源へのアクセスを保証するために、国家間の協力と国際協力の可能性を活用すること
 l)有機物、試験管植物(vitroplantas)、バイオ肥料、バイオスティムラント(bioestimulantes)、バイオ農薬他、持続可能な生産を発展させるために必要な同様な性質の産物の生産と商品化を通じた生産投入資材のローカルな管理
 m) 植物性及び農業の種子の生産、加工、保存、販売及びその特性に最適な品種や家畜種の増殖のローカルな管理
 n) 各テリトリーにおいて自給自足のために持続可能なモデルへ段階的に転換すること

第Ⅱ章 食品分野の外国貿易と外国投資

第83条 管轄当局は、輸出を促進し、輸入を代替する食品生産を目的とした、外国投資の方法の確立を優先するものとする

第84条 ローカルフードシステムの主体は、その戦略的計画において、以下を目的とする外国投資および国際協力プロジェクトの開発を企図すること
 a) 動植物性食品の多様な生産を、設備、付属品、器具で強化すること
 b) 地元で利用可能な再生可能エネルギー源を開発するための技術基盤を支援すること
 c) 土壌、水、環境、自然林、固有の植物、微生物、動物の遺伝資源の保全のためのローカルな解決策を実施するために必要な設備を獲得すること
 d) 既存の品質・安全基準に従った多様な供給を確保するため、中規模で職人による食品加工を促進するため、設備と副資材でインフラを支援すること
 e) フードチェーンにおける食品ロスや廃棄物の削減及びロスや廃棄物から派生する新商品の開発を可能にする設備や補助資材を備えたインフラを支援すること
 f) 有機肥料のリサイクルと生産のための専門設備を備えた中規模ユニットの創設に貢献すること
 g) ローカルに存在するバイオ製品や天敵を生産するための生産工場や研究所を、設備、付属品、投入資材で強化すること
 h) 中規模での植物種子・農業種子の生産、加工、保存、販売のための農業設備、付属品、器具の取得において、市町村の種子農場と協力すること
 i) 商業的に入手可能な食品を促進するためローカルでの解決策を支援すること
 j) 技術活動や開発プロジェクトの立案における能力向上を図ること

第85条 農業食品部門における外国投資、外国貿易、国際協力は、この目的のために施行されている規制規定に従って実施されるものとする

タイトル VIII 食と栄養教育と社会的コミュニケーション

第 Ⅰ 章 食と栄養教育

第 86.1 条 食と栄養教育には以下のものが含まれる
 a) 人々の栄養状態、健康、福祉を最適化するため、人々の食事習慣を修正または改善することを目的とした学習プロセスの一部である、一連の情報、トレーニング、教育、社会的コミュニケーション活動

 b) 文化的伝統、個人のニーズ、各地の資源の利用可能性に応じて、食品の生産、選択、入手、保存、準備、消費のプロセスに関連する行動を責任を持って自主的に採用すること

2. 食と栄養教育には以下の目的がある
 a) 栄養価が高く、健康的で安全な多様な食の消費を促進すること
 b) 食の栄養の価値に関する知識を促進・拡大すること
 c) 食に関する健康的な立ち振る舞い、信念、態度を喚起すること
 d) 慢性的非感染性疾患の予防に寄与する健康的な食生活を実践する個人の能力と動機を開発すること
 e) 望ましい食習慣を復することに基づき、地元の食生活を促進すること
 f) 食及び栄養教育プログラムに欠かせなき補完として身体運動を組み込むこと
 g) 弱い立場におかれた人々の食料保護を促進すること

第 87.1 条 食と栄養教育の管理には、国家中央行政機関、地方人民権力、地元のフードシステムを構成する主体が参画することとする

2. 健康、教育、文化、社会的コミュニケーション・システムが、人民の食と栄養教育の発展において最大の責務を負い、かかる目的のため、必要に応じて以下のことを行わなければならない。
 a) 持続可能な生活様式に向けて価値観を形成し、責任ある消費意識を促進すること
 b) 国家教育制度において教える内容にアグロエコロジーと持続可能性な視点を組み込むこと
 c) 食料主権、食及び栄養教育に関する教材、通信及び周知する製品を練り上げること
 d) ローカルフードシステムの関係者を対象とした、健康的な食と食品の安全性に関する研修及び専門能力開発プログラムをデザインし実施すること
 e) スタッフ、職員、管理者、教師向けに食及び栄養教育における継続的かつ永続的な準備を計画すること
 f) 食品に関する規制・規定に関する社会的コミュニケーションと研修に貢献すること
 g) 対応する保健スペースで、様々な年齢層の食料と栄養の問題について住民との交流を促進すること
 h) 過剰又は欠乏による栄養失調及び慢性の非感染性疾患の軽減に寄与するため、健康な食べ物の生産、販売、消費パターンの達成に重点を置き、家族及びコミュニティ全般を対象とした活動を展開すること

第 88 条 ローカルフードシステムを構成する主体は、様々な対象者を対象とした健康的な食に関連する情報資料の展示を通じて、アグロエコロジーと持続可能の視点で、価値形成を伴う食と栄養の教育を促進すること

第Ⅱ章 食料主権、食糧と栄養の安全保障、食料への権利のためのソーシャル・コミュニケーション

第Ⅰ節 ソーシャル・コミュニケーションの管理

第89条1 中央行政機関、人民権力の地方機関、および地域の食料システムを構成する主体は、必要に応じて、社会的コミュニケーションの管理に参加することとする

2. ソーシャル・コミュニケーションの管理は、以下を促進することとする
 a)食品の生産、加工、商品化の各過程の関係者と消費者との、あらゆるレベルでの統合、関係、対話
 b)マスメディアを介して、あらゆる媒体において、食料主権、食料と栄養の安全保障、教育、その進展と経験の発展に関連する情報とコミュニケーションのプロセス
 c) 市場調査と商業的コミュニケーション活動の開発を通じて、キューバ製品、サービス、技術の輸出と国際市場において位置づけ
 d) 食品の生産、加工、商品化に女性と若者を取り込むこと
 e) 食品の生産、加工、販売、消費における性差別的文化パターンを排除
 f) 計画されたコミュニケーション活動の遂行と、コミュニティにおけるその影響度、有効性、効率性の評価

第90条 中央行政機関、人民権力の地方機関、ローカルフードシステムを構成する主体は、本法で特定されたリスクを予防、解決し、影響を緩和するための行動を定義するためのコミュニケーションを管理すること

第91条 公共情報及び社会的コミュニケーションの実施と管理を担当する機関は、食及び栄養に関するコミュニケーションと教育の管理を評価すること

第2節 食及び食育のための公的広告及びコミュニケーション

第92条 食品と関連する商業目的の広告およびコミュニケーションは、食品および食育のために施行されている規則に従って実施されるものとする

第93条 児童及び青少年を対象に食品の広告を発信するマスメディアは、媒体を問わず、本法およびこの目的のために施行されているその他の規制規定に定められた食育の基本に従ってメッセージを発信することとする

第94条1 中央行政機関、人民権力の地方機関及びローカルフードシステムを構成する主体は、食・栄養教育プログラムのコミュニケーション活動の一環として、適切な食習慣と健康的なライフスタイルを促進することを目的としたメッセージを体系的に作成することとする

2. 前項のメッセージは、対応する規制条項に従い、公共サービスの広告または公共財として特定される

3. 公共サービス広告は広告とはみなされないものとする
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2024年05月20日

キューバ共和国法律第148号「食料主権・食料・栄養安全保障法」タイトルⅣ・Ⅴ

タイトル IV 食品の品質と安全性

第 I 章 品質管理システム

第 59.1条 市町村委員会は、商品・サービスの品質向上を促進し、競争力を促進し、輸出可能な資金認証するため、バリューチェーンアプローチによるリスク分析を適用し、持続可能な方法で品質マネジメントシステムの実施を調整すること

2. この目的のため、品質管理システムの導入は、現行法に従って実施され、次のことが可能となる
 a) インターラクションのプロセスと必要なリソースを決定する
 b) 資源の使用を最適化する
 c) 製品とサービスの提供において採用される手段と行動を特定する

第 Ⅱ 章 フードチェーンにおける食品の品質と安全性について

第 60.1 条 ローカルフードシステムを構成する主体は、一次生産から最終消費者に至るまで、基準で定められた要件を満たす投入資材やサービスの供給者を含めて、フードチェーンにおいて、食品の品質と安全性を保証することに取り組むこととする

2. 前節で言及した主体は、消費者の信頼を求めて透明性と参加を達成するため、教育的・予防的・包括的で「One Health(Una Salud)」のアプローチを介して、適切な健康の保護を提供し、関係者の競争的かつ責任ある発展を可能とすることとする

3. トレーサビリティを保証するための規制と措置、必要なスキルを持つ要員、この目的に必要な管理と監督のポイントは、この目的のために施行されている規制に準拠するものとする

第 61.1条 ローカルなフードシステムを構成する組織は、食品チェーンが効果的に機能するために、リスク分析アプローチを使用して、検査及び管理プログラムを設計・実施することとする

2. 前述のプログラムは、食品の品質と安全性の管理システムを保証するため、この目的のために制定された法的規定に従って、投資、維持、技術的な資金調達を含めて、財政的、物質的、知的管理的、管理的な指標となる資源を特定することとする

第62条 フードシステムを構成する主体は、フードチェーンにおける製品の品質と安全性を保証するため、試験所のネットワークを含めて、技術設備の更新を行うとともに、インフラストラクチャーの構築と近代化を可能にする財政的・物質的資源を動員することとする

タイトルV フードロスと廃棄物の予防と削減

第 Ⅰ 章 予備規定

第 63.1 条 国家委員会、州及び市町村委員会は、環境的・経済的・社会的に食品ロスと廃棄の影響を評価し、それらの防止とフードチェーンの削減のための戦略の実施を調整することとする

2. フードロスとは、原因を問わず、食品の収穫、加工、輸送、保管、加工、卸売販売の各段階で生じる量や品質の低下を指す

3. 食品廃棄物とは、小売市場の分野、家庭消費、公共機関、美食機関(gastronómicas)、外食サービス機関のレベルで食品が使用されなかったことによる食品の量または質の低下を指す

第 64 以下の事項は全国委員会、州及び市町村委員会に委ねられる

a) 食品生産チェーンにおけるフードロスと廃棄物に関するデータを収集するための情報システムの構築を市町村、州、国レベルで推進して参加すること
b) フードロスと廃棄の防止と削減に寄与する社会的及び環境的責任についてのプログラムの開発を市町村の管理委員会に提案すること

第 65 条 共和国監査総監(La Contraloría General de la República)は、フードチェーンにおける食品ロスと廃棄物の予防と削減のための戦略の遵守を、農産食品部門の事業体の監査対象事項の中に組み込むこととする

第Ⅱ章 フードロスと廃棄の防止・削減のための国家委員会

第66.1条 フードロスと廃棄物の防止・削減のための国家委員会は、食品流通におけるフードロスと廃棄物の防止・削減に関するガイドラインとプロトコルを制定することとする

2. フードロス・廃棄物防止・削減のための国家委員会は農業省に所属するものとする

3. この委員会は国家委員会が代表する

4. フードロスと廃棄物の防止・削減のための国家委員会の構成と権限は、本法の規則に定めるものとする

第67条 フードロスと廃棄物の防止・削減のための国家委員会は、本章に含まれる戦略と措置の実施を監督することとする

第Ⅲ章 フードロスと廃棄の防止と削減のための戦略

第68条 中央行政機関、人民権力の地方機関及び食品の生産、輸送、加工、貯蔵、販売及び消費に関連する地域のフードシステムを構成する関係者は、必要に応じて、以下の項目を遵守し、フードチェーンにおけるフードロス及び廃棄を防止し、削減するための戦略を策定しなければならない

 a) 原因の特定と解決策の決定に資するフードロス及び廃棄に関する診断を実施
 b) フードロスと廃棄の定量化と削減に関するプロジェクトの開発と実施
 c) 農作物残渣と食品に付加価値を与え、サーキュラー・エコノミーアプローチによる利用を可能にする技術の導入と開発のための財源を特定
 d) フードロスと廃棄を削減するための投資計画のリスク分析アプローチによるデザインと実施
 e) 廃棄物のリサイクルを確実にするためリスク分析に基づく計画の策定と実施によるインフラの確立
 f) フードロスと食品廃棄物の防止・削減のため国家委員会が定めたガイドライン、指令、プロトコルの遵守
 g) 廃棄物の利用とフードロスの削減のため部局間・組織間の行動
 h) 食品生産チェーンにおけるフードロスと廃棄物に関するデータ収集のため市町村、州、全国レベルでのモニタリングと情報システムへの貢献
 i) フードロスと廃棄物が環境、経済、社会に与える影響の評価
 j) フードロスと食品廃棄物の防止と削減に貢献するための社会的・環境的責任プログラムの遵守
 k) その他、必要と思われること

第69条 ローカルフードシステムを構成する主体は、フードチェーンにおけるフードロスと廃棄の定量化、防止、削減を可能にする研究開発プロジェクトを市町村審議会に提示し、その承認を得ることとする

第70条 ローカルフードシステムを構成する主体は、食品廃棄物の利用とフードロス削減のための協調行動を実施することとする

第Ⅳ章 フードロスと廃棄の防止と削減のための措置

第 71.1 条 ローカルなフードシステムの主体は、収穫、ポストハーベスト及び販売におけるフードロス及び廃棄の防止・削減のため、効果的な措置を講じるものとする

2. 生産段階においては、以下のことを推進する
 a) 最終消費者の嗜好について、生産者と貿易業者との間で食品を生産する前にすり合わせを行い、関係者間の取引量を増やし、製品の不合格な製品を減らすこと
 b)消費者の需要やそれに対応する価格変動に応じて、生産計画を指示し、生産をずらし、収穫スケジュールを策定するための、異なる市場への製品供給における調整をすること
 c) 食品生産におけるグッド・プラクティス(buenas prácticas)の遵守
 d) その他、本目的のために適切とみなされる措置

3. ポストハーベスト、貯蔵、加工段階では、以下を実施する
 a) 製品の安全性を確保するため、インフラ、輸送、保管施設の衛生・衛生条件への投資を奨励・支援する
 b) 食品生産チェーン全体に携わるオペレーターの能力向上
 c)保管施設、インフラ、コールドチェーン、加工能力の改善
 d) 食品ロスの防止を促進するためのサプライチェーン監視システムの確立
 e) この目的のために適切とみなされるその他の措置

4. 販売段階では、以下のことを実施する
 a)食品の選別と廃棄における品質基準の見直し
 b) 流通販路の短縮
 c)慣行の基準に適合しない製品の新市場の創出
 d) この目的のために適切とみなされるその他の措置

5. 5.食品の輸送については、施行されている規則に定められた要件が遵守され、適切な場合には、この目的のために協力関係を取り入れることとする

第72条 ローカルフードシステムを構成する主体は、収穫時、ポストハーベスト時及び販売時での食品ロスや食品廃棄の防止と削減のために、確立された契約関係から生じる義務を遵守し、その履行を要求することとする

第73条 ローカルフードシステムを構成する主体は、フードチェーンにおける品質基準に適合しない食品を利用するためのメカニズムを構築することとする

第74条 市町村委員会は、短い販路を強化するため、コミュニティにおける自由フェアの開催を調整し、アグロエコロジー農場と有機・アグロエコロジー市場の創設を奨励することとする

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2024年05月19日

キューバ共和国法律第148号「食料主権・食料・栄養安全保障法」タイトルⅢ

タイトル III ローカルフードシステム

第Ⅰ章 予備規定

第 44 条 1 ローカルフードシステムとは、食料主権を実現し、食と栄養の安全保障を強化し、人民の食料を得る権利を保障するため、社会的・政治的・経済的・技術的・環境的側面と関連しながら、自治体における食の生産・加工・商業化・消費に関連する行為、過程・資源及びそれらの相互関係を指すものと理解する

2. 本法の目的上、ローカルフードシステムは、食料の生産・加工・商品化・流通・消費と関する戦略や計画、その他の自治体の決定にその主体が参加し、住民に十分にして健康的な食料を保証するため、輸入を削減することを目的として、自治体独自の資源と投入資材を優先的に使用する主権を有するものとみなされる

3. 本法の目的上、前述したシステムは、将来の世代の食料と栄養の安全保障を損なうことなく、その管理全体が、経済的・社会的・政治的・技術的・文化的・環境的な変化にレジリアンスを持って適応し、長期にわたり持続可能なものである

第Ⅱ章 主観的かつ持続可能なローカルフードシステムの編成

第45.1条 主権的かつ持続可能なローカルフードシステムは、食料の生産、加工および販売、ならびに健康、予防、内部的秩序、コミュニケーション、社会的ケア、科学、環境保護、教育、文化、レクリエーション、スポーツおよび食料関連サービスに携わるフードチェーンの様々な過程に参加する関係者で構成される

2. 主権的かつ持続可能なローカルフードシステムの主体は以下の通りである
 a) 国及び地方レベルの国家機関
 b) 高等経営管理機関
 c) 国、州、自治体の国有企業
 d) 零細、中小規模での国営企業、民間企業、混合企業
 e) 機関及び団体
 f) 協同組合
 g) 自営業者
 h) 生産者
 i) その他適切な自然人および法人

3. フードチェーンは、最終消費者に到達するまでの食品の生産、加工、販売の過程を含むものとする

第46条 ローカルな食料主権と持続可能なシステムを構成する主体は、以下の権利を有することとする
 a)ローカルフードの開発のために実施される活動について報告を受けること
 b) 特定のテーマを提案するワーキンググループに参加すること
 c) 自分たちが考える食の生産、加工、商品化、流通、消費に関する自治体の決定、計画、戦略に参加すること

第47条 ローカルフードシステムの主体は、その機能を発揮するために、食に関するプログラム、ローカル開発プロジェクト、国際協力の代表者と協力関係を構築することとする

第Ⅲ章 持続可能なモデルとしてのローカルフードシステム

第48条 栄養に配慮した持続可能なモデルとしてのローカルフードシステムは、ジェンダー、世代間、経済的・社会的・環境的な持続可能性及び気候変動へのレジリアンスに焦点を当てつつ、アグロエコロジーの基盤の上に、ローカルフードの生産、流通、加工、商業化、消費のプロセスを統合することとする

第49条 持続可能な生産モデルは、以下の要素から構成されるものとする
 a)アグロエコロジーに基づく持続可能な農業
 b) テリトリー(territorial)及び都市計画による適切な土壌の管理
 c) すべてのフードチェーンにおける生産、エネルギー、経済、管理システムの効率性
 d) 長期にわたり、農業・漁業の収量を維持し、経済収支を常に黒字にすることで、生産性と財政を安定させること
 e) 社会生態学的レジリアンス及び気候変動への適応と緩和
 f) アグロエコロジーの原則に従って技術を設計することによる独自の解決策や国産品を持つ技術主権
 g) 栄養に配慮した生産
 h)バランスを備えた計画的な生産を実現し、食品群間のバランスを考慮すること
 i) 栄養価が高く、健康的で安全な食品の生産
 j) 多様な農産物の利用可能性を高めることによる生産性と機能性の多様性
 k) リスク分析によるバリューチェーンの集中と管理
 l) 食品の原産地から目的地までに関連する情報システム
 m) サーキュラーエコノミー、持続可能な食料生産と消費を含めたその他の取り組み

第 50.1 条 食料の生産と変革に関与するローカルフードシステムの主体は、以下の要素を考慮して、アグロエコロジーに基づく持続可能な農業を実践することとする
 a) 百姓の知(Los saberes campesinos)
 b) 農業文化
 c) 農業及び漁業の生産プロセスが発展されなければならないシステムの現状
 d) 最先端の科学、技術、イノベーションのシステム
 e) 各テリトリーの特性を遵守した食料の生産

2. アグロエコロジーの基盤は、持続可能な農業の適用に加えて、土地やその他の天然資源の持続可能な管理と関連する側面を開発するため、精密で気候にスマートな農業を可能にすること

第 51 条 ローカルフードシステムは、以下のアグロエコロジーに基づく持続可能な農業に基づくこと
 a) 天然資源の合理的な利用を達成すること
 b) 持続可能な実践を介してレジリアンスを促進すること
 c) 総合的な病害虫防除を達成すること
 d) 経済的支出を削減すること
 e) 畜産廃棄物、農作物、収穫残渣を利用して、再生可能エネルギー源の利用を促進すること
 f) 土壌の使用と管理において外部投入資材への依存度が最小限であること

第52条 テリトリー及び都市計画に関して権限を有する自治体(autoridades municipales)は、持続可能な生産モデルの効果に寄与するため、土地の適切な管理に責任を負うこととする

第53条 フードシステムを構成する主体は、労働力の適切かつ刺激的な利用、原則として、再生可能エネルギーの合理的な利用、より良い経済方式の構築、各活動におけるリスクの分析を介して、すべてのフードチェーンにおける生産、エネルギー、経済、管理システムの効率性を確保すること

第54条 ローカルフードシステムの主体は、主に環境の変化、土壌の肥沃度の劣化、水不足、水文気象現象に直面する生態系の維持のために、社会が使用する技術の変革を設計できるツールの使用と、この効果に関する有効な規制の遵守を通じて、社会生態学的なレジリエンス、気候変動への適応と緩和を実践すること

第55.1条 ローカルフードシステムを構成する主体は、食習慣を改善し、疾病を予防するために、様々な製品の栄養成分を考慮し、健康的でバランスの取れた栄養を保証し、栄養に配慮した多角的な生産を行わなければならない。

2. さらに、疾病の発生を防ぐために、施行されている特定の法律に従って、化学的・生物学的汚染のない、十分なビタミン、ミネラル、タンパク質、微量栄養素を含み、栄養価が高く、健康的で無害な食品を生産すること

3. 上記の主体は、市場調査を通じて人々の食の嗜好や需要を考慮し、販売中での食品の拒否による食品ロスや浪費を防止・削減することを目的とし、栄養に配慮した生産を行う こと

第56 フードシステムを構成する主体は、ある環境において、製品の生産、加工、販売のシステムにおいて、相互に関連した行動をとることによって、制度的、経済的、社会的、環境的、そして、技術的な影響の分析を通じて、食品生産プロセス全体を通じて、リスクベースのアプローチによるバリューチェーンの管理を取り入れること

第57条 持続可能な生産モデルとしてのローカルなフードシステム強化のための自治体委員会は、以下の責任を負うこと
 a) ローカルでの診断に基づき、栄養戦略を立案すること
 b) フードロスと廃棄を防止・削減するための方法論の実施を調整すること
 c) ローカルレベルでの食に関する専門的な情報を把握、処理、共有をするため、食品・栄養及び食品安全サーベイランスのために保健当局が確立した手法の実施に貢献すること

第 Ⅳ章 ローカルフードシステムに対する潜在的なリスクの分析

第 58.1 条 市町村委員会は地方自治体とともに、ローカルフードシステムの潜在的なリスクの影響を最小限に抑えることを目的として、必要な措置を調整すること

2. この法律の目的では、以下がリスクとみなされる
 a) 植物と動物の病害虫
 b) 生物兵器戦争
 c) 極端な水文気象現象
 d) 土壌、農作地、畜産及び水供給源に影響を与える化学的事故
 e) 森林と耕作地での火災
   f)植物由来の食品の作付けや収穫、家畜由来の食品の飼育、輸送、販売を制限し、加えて、労働力にも影響を与える伝染病やパンデミック
   g) 土壌の劣化と汚染
   h) 農村部の人口動態
   i) ローカル・フードシステムの機能に影響を与える可能性のあるその他
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