2018年12月12日

SBCニュース深堀り〜長野県が農作物種子条例を制定へ

ニュース深堀りは、県内の幅広い分野の話題を取り上げます。

今日のトピックは…長野県が農作物種子条例を制定へ…。

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生田明子 日本の食に大きく関わる「主要農作物種子法」という法律をご存知でしょうか。日本人にとって米は主食。また、味噌や醤油の原料となる麦や大豆も日本の食には欠かせません。これらの米や麦、大豆を作るための「タネ」をしっかりと自治体が管理し、原種を守ってタネを生産し農家に届けるという仕組みを規定してきた法律です。制定されたのは1952年。戦時中日本は、食糧不足でいやというほど食糧自給の重要性を思い知らされたわけです。そこで「国は、国民を飢えさせることなく十分な食料を確保し供給するのは国家としての責任だ」という使命感から、この種子法を制定するに至ったと言われています。この法律を守ってきたことで、現在に至るまで、主食となる米をはじめ、大豆や麦が豊富に生産され、また、長野県にも「奨励品種」というのがたくさんありますが、地域に合った優良品種が日本全国にたくさん生まれたという一面があります。

根本豊 確かに、今スーパーに行けば、お米はコシヒカリはあるわ、秋田コマチはあるは、選び放題ですよね。それは、この法律があったからということなんですか?。

生田明子 そうなんです。ところが、今年の3月末になぜか突然、廃止になりました。

根本豊 そんな大事な法律が、どうして廃止されることになったんでしょうか…。

生田明子 元農林水産大臣で弁護士、「日本のタネを守る会」の山田正彦さんです。

Masahiko-Yamada.jpg山田正彦
 種子法廃止になったとき、衆議院でもわずか5時間足らずの審議でしたから、あっという間でして、我々も全く感知していなかったんです。僕は大臣までやって農水省でもいろいろ省議やりましたけど、で、調べてみたら、大変な法律を廃止するということがわかって。

 野菜の種の話を見てもらうとわかるんですが、かつて30年前まではですね、100%国産で、そして、伝統的な固定種だったんです。それがですね、海外で90%生産されるようになりました。で、まあ、そういう形で今、日本の米と麦と大豆。これは今種子は国産100%なんですよね。ほぼ。それが、これからモンサントとか、デュポンとか、シンジェンダだとか、バイエルだとか、そういう種子会社がね。この残された日本の市場を狙っているわけです。

生田明子 今、山田さんが名前をあげた企業は、世界的な巨大種子会社です。

根本豊 つまりは、今名前が挙がった大きな企業が、日本の米市場を狙っていると。そのために、法律を廃止したんですか?。

生田明子 種子法の突然の廃止は政府の規制緩和策の一環で、国が管理する種子供給の仕組みが民間の品種開発意欲を阻害している」というのがその理由です。

 そもそも農家に安く提供し、消費も安定した価格で変えるように国と県が携わってきたのです。それをやめたら、民間企業は当然利益を出すことを考えますし、民間企業が扱う種子には特許料が含まれるため、種の値段もあがり、そうすると私達の食べるお米の値段も上がってしまうのではないか…と心配されています。

 これまで種というのは、企業の物というよりは国民の食糧の確保に必要な公共のもの。公共財として守られなければならないという考え方でした。また、長野県は農業県です。そこで、廃止された種子法に変わる条例を県に作って欲しいと長野県議会、長野市議会、小布施町議会から出されまして、種子法廃止に関連した意見書も伊那市、駒ケ根市などの市町村から次々に出されました。

 そういったことを受けまして、阿部知事は、8月の知事選挙の際に、種子条例の制定を公約に掲げ、来年6月の県会に「農作物種子条例」を提出する方針を示しました。阿部知事です。

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阿部知事 農作物種子条例(仮称)の条例制定にあたりましては、本県らしい条例となりますように農業者、種子生産者、農業団体等、様々な立場のみなさんから個別に十分ご意見をお聞きしていきたいというふうに考えております。頂いたご意見をふまえて来年の1月までには骨子案を作成していきたいと考えております。来年2月の定例会に、条例素案を示したうえで、6月の定例会には条例案を提出する方向で取り組んでいきたいと考えております。

生田明子 阿部知事の示す「本県らしい」つまり「長野県らしい」とはどういうことなのか。長野県農政部長山本智章さんです。

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山本農政部長 主要農作物種子法の中の対象は、米、麦、大豆でございましたけども、本県の場合は、特産の蕎麦がありますので、それを対象にしていくという方向性があります。それから、本県は伝統野菜が非常にたくさんありますので、伝統野菜について盛り込んでいくといったようなことを今の時点での長野県らしい、ということかなというふうに思っております。

根本豊 これまでの種子法の対象とはされてこなかった蕎麦や伝統野菜も守られることになるということですか。

生田明子 いま開かれている県議会では山本部長は「1月にパブリックコメントをし、詳しく説明し県民の意見を伺う機会を設ける」と発言がありました。パブリックコメント、住民に対しても意見公募、県のホームページで来年1月から行われる予定です。

(2018年12月11日放送)
(2018年12月12日投稿)
【画像】
生田明子アナウンサーの画像はこのサイトより
山田正彦元農相の画像はこのサイトより
阿部知事の画像はこのサイトより
山本農政部長の画像はこのサイトより



posted by José Mujica at 21:14| Comment(0) | 腸内細菌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする