2018年12月19日

SBCニュース深堀り〜遺伝子組み換え問題

 ニュース深堀りは、県内の幅広い分野の話題を取り上げます。今日のトピックは…遺伝子組み換え食品について…。

生田明子Akiko-Ikuta.jpg 先週は種子法廃止による影響をお伝えしましたが、いま遺伝子組み換えについても関心が高まっています。今日は遺伝子組換え農産物についてJAと有機農家の意見を取材しました。年末にも発効が迫る環太平洋連携協定。JAとしては、このTPPに対して、反対の立場をとってきました。それは、これらをきっかけに、遺伝子組み換え農産物が、日本に大量に入ってくることが危惧されているからです。

 アメリカにあるJA全農の子会社=全農グレインは、主に牛や豚等の家畜の餌を世界中に輸出している会社で、配合飼料の提供までを一貫して行なっています。その原料となるのがトウモロコシや大豆です。現在、日本には国の安全性審査を経たものですが、飼料用、加工用として大量にそれらが輸入されてきています。日本に一番入ってきているアメリカの場合を見てみると、農林省のホームページによりますと、作付けされている大豆、綿、トウモロコシの9割以上が遺伝子組み換え農産物となっています。遺伝子組み換えを避けたいというニーズに応えるため、全農グレインでは遺伝子組み換え作物の混入を最大5%以下となるように畑からわけて管理をし日本国内に入れているとのことです。JA長野中央会の春日十三男・専務理事です。

Zen006s.jpg春日専務理事 日本の農家が作っている、畜産物が食べているものっていうのは、ある程度遺伝子組み換えをはじいて、使ってる。そういうものは材料に入れないよ。そうではないやつを入れて餌にして、こっちに運んで来てる。それで生産した肉や卵やそういうものが市場に出している。だから、ある程度安全にしているという状態になっているんですよね。

根本豊 いやぁ、JAの子会社がアメリカで選別して日本に入れている。これは知りませんでしたね。そして、もっとびっくりしたのはアメリカで作付けされている9割が遺伝子組み換え。これは驚きでしたね。

生田明子 そのアメリカでは遺伝子組み換えをしていない農産物や有機農産物ブームが起きています。遺伝子組み換えの危険性について様々な研究が報告されているからです。現在、日本国内では、遺伝子組み換え農産物の商業生産は認められていません。それは、こういったことが心配されるからではないでしょうか。有機農家で、農業と食事にまつわる勉強会を6年前から行ってきた「NAGANO農と食の会」共同代表の渡辺啓道さんです。

渡辺啓道Watanabe02.jpg  種が海外から国内に流入してきて、これが、もしですね、例えば遺伝子組み換えの種だったとした場合、種は花粉をもとに作られるわけですから遺伝子組み換えされた種の花粉が飛散するということにつながってくるんですよね。そうなりますと、地元の在来品種ですとか、お米ですとか、麦とかそういった種自体が、遺伝子組み換えの花粉によって汚染されてしまうという、そういうことが予想されてしまうんですよ。昔メキシコというのは、自家採取されていたとうもろこしがもう何百種類とあったんですが、それが今、とうもろこしの花粉というのは非常に距離が遠く飛ぶんです。今、アメリカの遺伝子組み換えのとうもろこしの花粉がメキシコの在来種を汚染して、今、在来品種のとうもろこしは希少価値をもっているんだよね。それぐらい花粉の飛散は大規模に起こってしまう問題なので、これは非常に気を付けなければいけない問題だと思います。

生田明子 だからこそ、安心・安全な食べ物を作っていく点からも 地産地消や今ある在来種を守る取り組みが大切だと春日専務は訴えます。

春日専務理事 安倍(首相)さんが食べるものは、外国から安く仕入れりゃそのほうがいいっていうふうに考えてるのかもしれませんよね。ですから、それに対しては我々は、できるだけ地元のもの、日本のものは日本の中で生産していける。そういう自然な形できちんとやっていけるような、農地を作り、そういう生産者を作って確保していく。その皆さんが生活できるような支援を、やはり県としても国としても、していく必要があるんじゃないかと。地場で育った野菜ってのは、それなりに淘汰されて残ってきてるものですから、きっと一番地域にあった形のものになっているわけですよ。きちんと地域にあるべき種は、地域で守って行けるんだっていう形にしないと。そういうことをやっぱり訴えていかなくてはいけないんじゃないですかね」

根本豊 私たち消費者も色々な意志を示せるのではないでしょうかね。地産地消や国産を大切にしたいのであれば、出来るだけ日本のもの地元のものを買う姿勢が大事になってきますよね。

生田明子 栃木県では、在来種の大豆が、遺伝子組みかえの農作物と交雑するおそれがあることから、遺伝子組み換えを規制する内容を盛り込んだ条例案を制定するよう有志団体が県に働きかけています。そして、長野県では阿部知事が農作物種子条例を来年6月県会に出す方針を明らかにしています。遺伝子組み換え食品のことがその条例の中に入るかどうかはわかりません。ただ私達がこうした問題を知っておくことは、大切なことではないでしょうか。

【画像】
生田明子アナウンサーの画像はこのサイトより
渡辺啓道氏の画像はこのサイトより
JAグレインの画像は米国のゼン・ハニーカットさん提供の資料より
(2018年12月18日放送)
(2018年12月19日投稿)


posted by José Mujica at 06:00| Comment(0) | 講演・学習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする