2019年01月17日

グリホサート、お前はすでに終わっている

求められる無農薬の除草剤

 2015年、WHOは除草剤グリホサートに発がん性を見出す。これは、グリホサートを使っていればガンになるという強力なエビデンスがあるということだ(1)。持続可能ではないうえに健康にも影響がある。この懸念がメディアの注目を浴びる中、一部の農業界や地方政府は、化学除草剤に代わる雑草防除対策を模索し始めている(4)

 農業をする以上は除草剤は欠かせないのだが、国際市場に農産物を輸出するうえでも残留農薬規制値を気にしなければならない(3)。けれども、そうした懸念をしないですむ除草剤がある。土の健康にとっても有益で、持続可能な農業の助けとなる除草剤がある(3,4)

「除草剤や農薬が使い放題のこの毒物の時代に、農業を含めて、あらゆる産業が持続可能であることへの価値が高まっております。健康のことを考えれば、化学農薬や除草剤が引き起こす多くの病気の治療法を考えるうえで、それらからの汚染を防ぐことが最優先事項となっています。私どもが目指しているのは、私たちの土。そして、ここオーストラリアにおいて栽培される農産物の恵みを高め、弊社製品の知の恵みを全世界へと広げることなのです」

 そう語るのは、コンタクト・オーガニック財団の所長で、創案者でもあるウィリアム・ブリッグス氏だ。そう。これは、土の健康を最優先する農場のためにオーストラリアで特に開発された除草剤なのだ(4)

 コンタクト・オーガニックの本部はメルボルン。2014年にオーストラリアで設立された会社だ(4)。コンタクト・オーガニックのコアにある哲学は、地球上の生命が繁栄することを助けることにある。そこで、天然の非毒性成分を用いることで、土壌生物相を豊かに維持することを重視する(2)。どれほど土壌生物相が保護されるのか。それを担保するための広範囲な研究がなされ(3)、30年も研究を積み重ねてきた(2)

樹園地から学校の校庭まで

「私どもは、いま、パフォーマンスが高く環境にも好ましい除草剤「FarmSafe」「LocalSafe」、「HomeSafe」を提供しております(2,4)。ブドウ栽培、遊び場、運動場、学校他の公的なアメニティエリア、そして、ご家庭や庭の周囲で効果的で、かつ、無毒な雑草防除の実践に向け、オーストラリアの消費者と共に働けることを楽しみにしているのです」(2)

 農業用の「FarmSafe」は、ブドウ園等の果樹園、パドック、農場で速効性があり、かつ、自然な雑草防除ができる(3)。家畜や人間、土壌の健康を守れる。有毒な残留物がないために残留物濃度を懸念する必要がない。グリホサートを含まない選択肢にチェンジすることで、安全かつ効果的に土の健康を守れる。環境とのバランスが回復され、持続可能な農業も発展する(2)

 「LocalSafe」は地元団体が安全に使えるためのものだ。また、コンタクト・オーガニックは、ガーデニングでさえ、持続可能でなければならないと考える。安全な除草剤を求める市民の意識が高まっていることから、あらゆる菜園や道端用の「HomeSafe」も開発している(2)

水分を飛ばすことで枯らす

 コンタクト・オーガニックの製品は最先端技術を用いているのだが(3)。それが雑草を枯らす仕組みは、ひどい霜害や極端な熱波がするのと類似したやり方だ(1)。雑草に散布すると、その細胞の保護膜 (protective film)が劣化する(1,3)。ひとつの活性成分(volatile ingredient)は植物の葉のワックス層(waxy layer)を分解する。一方、これとは別の活性成分は植物から大気中へと水分を放出させる(1)。このため完全な脱水(complete dehydration)が引き起こされる。そして、植物細胞は急速に破壊されていく(1,3)

 散布してみていただきたい。1~2時間も経てば、雑草が褐色になって弱っていくことがわかるだろう(1,3)。コンタクト・オーガニックは、市場に出ている多くのそれ以外の多くの除草剤よりもいち早く成果の出る速効性の手法を開発している(1)。この製剤(formulation)は強力で効果的な乾燥剤(desiccant)なのだが、毒性がないために植物は免疫力(build immunity)を構築できない(1)。そこで、長期にわたって散布し続けた結果生じる除草剤耐性も防げるのだ(1,3)。さらに、価格面でも競争力があるのだ(3)

オーストラリアで許可

 こうした中、オーストラリアの農薬当局(APVMA= Australian Pesticides and Veterinary Medicines Authority)は、コンタクト・オーガニックが作成している除草剤シリーズを許可したと発表した。コンタクト・オーガニック社の常務、フランク・グラッツ博士は「オーストラリアの規制当局から認可されて嬉しい」と語る。

 コンタクト・オーガニックの製品は、メルボルンとバンコクで製造され、オーストラリア全域へと地域の業者を通じて流通している。この製品開発センターはコフス・ハーバーにあり、米国ではアイオワ州のモーリスでビジネスを展開している。

 この製品開発センターはコフス・ハーバーにあり、米国ではアイオワ州のモーリスでビジネスを展開している。強力な特許でのポートフォリオ(Portfolio)を持ち、環境的に持続可能な雑草管理や農業へと向かう世界的な傾向で加速的に成長している。製品開発センターはニューサウスウェールズ州のコフス・ハーバーにあり、米国ではアイオワ州のモーリスでビジネスを展開している(4)

毒物被曝は避けられないがデトックスを始めよう

 私たちの身体は、日々、何百種類もの化学製品にさらされている。こうした化学物質からの被曝をコントロールすることはできない。けれども、この地球上に対して永久の負荷を残すことを望む人は誰もいない。そして、環境に対する自分たち自身の影響は取り除き、負荷を最低限に抑えることはできる。また、化学毒物を土壌や食べ物に入れないことで、食べ物から毒素を取り去り、身体の中に毒物を入れないことで身体のバランスを取り戻すこともできる(2)

編集後記

 ゼン・ハニーカットさんの講演を昨年末に聞いたのだが、そこで、オーストラリアでグリホサートに代わる除草剤が開発されているという話を聞いた。まだ、ネット上は多くの情報はないのだが、さっそくチェックしてまとめてみた。グリホサートが危険なことは確かだ。けれども、いきなり除草剤を使うのを止めよ。手で草を取れと言われれば「江戸時代に戻るのか」と暗澹たる気分になるしコンセンサスも得られまい。とはいえ、グリホサートにかわり安全な除草剤があり、かつ、コスト的にも競争力があるのであれば、常識的にはそちらにシフトしていくはずである。安い。安全。効果がある。となれば、普通は誰もそれを選ぶではないか。どこかの試験場で試したうえで実践されることを願う。
(2019年1月17日投稿)

【人名他】
フランク・グラッツ(Frank Glatz)博士
ウィリアム・ブリッグス(William Briggs)
コンタクト・オーガニック(Contact Organics)
【地名】
コフス・ハーバー(Coffs Harbour)
モーリス(Maurice)
【引用文献】

(1) Product Information
(2) Sustainable Weed Control
(3) Cutting-edge Weed Control for Vineyards & the Agriculture Industry
(4) Press Release – LocalSafe Eco-Friendly Weed Killer, Dec 11, 2018.


posted by José Mujica at 07:00| Comment(0) | アグロエコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする