2018年01月01日

はじめに

 このブログをようこそご訪問くださいました。これから、日本の「食べ物」がとても危なくなるかもしれないことをご存知ですか。それは、「主要農産物種子法」という聞いたこともない法律の廃止が昨年に決まり、今年4月に廃止されることが深く関係しています。日本という豊かな森や水や田畑に恵まれたこの国で、まともな食べ物を食べてゆきたい。この列島に生れ育った子どもたちが病魔に苦しめられることなく健やかにすくすくと育って欲しい。そんな願いを込めてこのブログをたちあげました。


 でも、法律の廃止がなぜ子どもたちの健康と関係するのでしょうか。


 アトピー性皮膚炎、アレルギー、自閉症、ADHD(注意欠如・多動性障害)、糖尿病といった病気が増えていることはご存知だと思います。ある幼稚園では5人に1人がアレルギーだと言います。その理由は、不健康大国、米国を見ればわかります。子どもの3人に一人が肥満で糖尿病で、親よりも長生きできないのではないかとも言われています。これだけ科学技術や医療が発達したのになぜなのでしょうか。


 米国の子どもたちはポテトチップやコーラのようなジャンクフードを食べているから病気になる。うちの子どもには、玄米や野菜をしっかり食べさせ、骨が丈夫になるミルクも飲ませているから大丈夫と思われていたら大間違いです。


 なぜでしょうか。健康な土壌の中には多くの微生物が棲息し作物と協力しあって、作物や野菜が健康に育つようにミネラルや養分を提供しています。微生物が作り出す栄養素をたっぷりと吸収して育った作物や野菜は健康に育ちます。こうした食べ物が身体の中に入ると胃腸の中で分解されます。健康な腸の中には多くの微生物が棲息し私たちの身体や心が健康になるように様々な働きをしています。脳とほぼ同じ目方、1.5~2㎏もある腸内細菌叢(腸内フローラ)のおかげでアトピーや肥満や糖尿病になることが防がれ、心もすこやかに保たれているのです。まさに『土と内臓』のおかげで私たちは健康に活かされているのです。


 さて、いま米国ではほとんどのダイズやトウモロコシが「ラウンドアップレディ」という除草剤を播いても枯れない遺伝子組換え農作物となっていることはご存知ですか。ラウンドアップレディの主成分はグリフォサートというWTOも認める発がん性物質です。これを散布すると土壌微生物が死んでしまい、作物に栄養が供給されなくなります。おまけに、腸内に棲んでいる善玉細菌も死んでしまい、病気を起こす悪玉菌ばかりになってしまいます。まさに『土と内臓』がやられるのです。


 そこで、ヨーロッパではグリフォサートの使用を禁止する動きが高まっています。米国でもアトピーや自閉症に苦しむ子どもを抱えたお母さんたちが、グリフォサート(遺伝子組換え農産物)を含まない食べ物を広める運動を繰り広げ、いま、大手スーパー「ウォルマート」ですら有機農産物が引く手数多という状況になっています。グリフォサートを含む農産物を食べると不健康になり寿命も短くなる一方、含まない食べ物を食べればどんな病院にいっても治らなかった子どもの病気が数週間で治ってしまうというのですから当然ですよね。世界的には遺伝子組換え農産物を栽培する国も減り始めました。つまり、グリフォサートという毒物を製造したり生産している会社は困ってしまっています。消費者需要が減れば、需要と供給によってそうした商品は市場から消え去るのが市場原理の法則です。


 けれども、不思議なことがあります。ある国は、ヨーロッパも禁じようとしているグリフォサートの安全基準値を大幅に規制緩和しました。ヒマワリでは400倍です。そして、法律を廃止することによって、その国の主食のお米にグリフォサートを散布できるような準備を進めているようなのです。牛乳も同じです。遺伝子組換え技術を用いた成長ホルモン剤を注射すると乳量は増えるのですが、発がん性があるために欧州は輸入を禁じています。米国本土でも消費者は買わなくなっています。ですが、ある国ではその輸入が禁じられておらず、今後、表示義務をなくすことで、危険なホルモン剤の輸入をどんどん増やしそうなのです。


 不健康先進国、米国では腸内細菌叢がおかしくなったおかげで成人の3人に1人が鬱病です。おかげで、医薬品を中心に医療ビジネスがたいへんに潤っています。この国も多くの子どもたちが鬱病になり、最後にはがんになってくれれば、ガン保険会社も潤います。そう。もうおわかりかもしれませんが、「ある国」とは私たちの祖国、日本なのです。


 国内の稲作業が瓦解することで農林水産省は困るかもしれません。けれども、経済が活性化することによって経済産業省は元気になります。いまの農林水産省の事務次官は農林省を経済産業省の一部局にすると公言してはばからなかった人物だと言っている人すらいます。ですが、経済産業省の官僚たちが元気になったり出世するという省益のために私たちは税金を納めているのではありません。このブログを見ていただければわかると思いますが、例えば、種子法を廃止するにあたって、自民、公明、日本維新の会に民進を加えた付帯決議がなされていますが、この付帯決議に齟齬するかのような農林水産事務次官依命通知が昨年の11月15日付で出されているのです。


 日本はあくまでも民主主義国家です。私たちが選挙で選ぶ選良をないがしろにして国政が官僚によって動かされているとすれば、これは民主主義の危機ではないでしょうか。


 さて、このブログのタイトルは「アグエコ堂・松代店」となっています。松代というのはNHKの大河ドラマ「真田丸」で有名になった真田信之公が開いた信州の城下町です。この町には「NAGANO農と食の会」という有機農家や有機農産物の流通業者さんが作った学習会があり、私も月1回参加させてもらっています。


「ですから、主要農産物種子法の廃止というのは大変な問題なのです。どのようになっているのか、詳しく教えてくれませんか」


 11月のある日に勉強会で、そんなことを言われたときに一瞬、私にはその言わんとすることがわかりませんでした。そこで、自分なりに種子法廃止の経過を調べているうちに、どうもおかしなことが起きていることが見えてきました。このままいけば、他人の健康はおろか、自分の命すら守れないことがおぼろげながらわかってきました。


 けれども、どうしたらいいのでしょうか。戦略を立てるためには、まず、何が起きているのか、知らなければなりません。そして、問題があるとすれば、それを防ぐ有効な戦略を講じなければなりません。しかも、嬉しいことがあります。世界的には毒物を食べず、農薬や化学肥料を大量に使う大規模な企業型農業を止め、小規模家族農業を中心に伝統的な健康な農業を行なうことで人々が健康になろうという動きが主流になっているようなのです。国連(FAO)も推進しているこの運動を「アグロエコロジー」と言います。このブログのタイトルは「アグエコ堂」となっていますが、それはこの「アグロエコロジー」を縮めたものなのです。


 冒頭に書いたように、是非、この気色の悪い動きを知ってください。そして、種子を守ったり、国民がまっとうな食べ物を口にできる権利、「食料主権」を憲法に位置づけるといった世界の多くの潮流を知ってください。以下は、このささやかなブログのサイト構造です。


 「講演・学習会のまとめ」は、私が聞きに行ったり参加した勉強会のまとめです。種子法や遺伝子組換え農産物をめぐる動きを知らない方がまず訪れるのにお勧めです。


「主要農産物種子法廃止論」は、この法律の役割やその廃止がもたらす影響について、読んだ本やネットで得た情報を私なりに整理してあります。


 「印鑰智哉氏の世界」は、ドキュメンタリー映画『遺伝子組換えルーレット』や『種子ーみんなのもの? それとも企業の所有物』の監修者として著名なこの問題の第一人者、印鑰智哉氏のフェースブックに掲載されている情報を私なりに整理したものです。種子法や遺伝子組換え農産物は、腸内細菌のような医学的な話題から自閉症のような精神医学のトピック、土壌や気候変動のようなエコロジー、はたまた農村の過疎化や小規模家族農業といった農村社会学にまでまたがります。この幅広いテーマを抑えなければ、何が起きているかがよくわからず路頭に迷うことになります。こうした「ビック・ピクチャー」を知りたい方が訪れるのにお勧めです。


 「遺伝子組換え技術の科学」は、この遺伝子組換え技術がどのようなものなのか、ゲノムといった生物学の世界に踏み込んだ知識を得るために作ってあります。


 「安全な食べ物」は実践扁です。腸内細菌叢をテーマにまず何を食べればいいのかをまとめました。


 さて、最後になりますが、このサイトを訪れてくださった読者諸兄にお願いです。是非、「自分ごと」の問題としてこの問題を受け止めてください。「サラリーマン」「母」「学生」等、この列島で生きるためには誰もが与えられた「立場」の中で、それぞれの役割を演じることが求められます。私がこのブログを立ち上げるきっかけとなった「NAGANO農と食の会」の参加者も、お百姓さんや有機農産物の流通業者、料理人、医療関係者だけでなく、お役人や議員さん、まちづくりの活動家等、様々な方が参加されています。ですが、とりあえず、「立場」を捨てて一個の「生物」として「私」の原点に立ち返ってみてください。


 この「立場」で言えば、私は退職を控えたしがない初老の「平サラリーマン」にすぎません。長野という地方都市に住み、勉強会に参加させていただくことをきっかけに、スーパーでは努めて有機野菜を購入するように意識はしていますが、別に有機農業をやっているわけでもありません。ですが、数年前に私はⅠ型糖尿病を発症しました。すぐに死ぬわけではありませんが、血糖値を健康な数値内におさめるため1日に4回、インスリンの注射を打つ人生となりました。医学書を紐解くとⅠ型糖尿病は子どもがかかる遺伝性の疾患で、10万人あたり1~2名の発症率で、私のような初老のサラリーマンがかかることはまずないとされています。糖尿病といっても99%は2型で暴飲暴食等が原因とされています。なぜ、こうした奇病にいきなりかかったのか。ずっと理解できずにいました。ですが、印鑰智哉さんの講演を聞いて私なりに合点がいったのです。ある意味では、私もグリフォサート「被爆者」の一人なのです。


 スーパーやコンビニで食料を購入するためのマネーをゲットするために、社会的「立場」としてのサラリーマンとしての私がいます。けれども、そのマネーを稼ぐ私は、まず、土壌や腸内細菌によって生かされているのです。この生物としての原点に立ち返ることで、何をすべきか。巷に流布する情報にぶれずに考えることができるのではないかと思います。「『脳』としての私が立場で生きよ」と命じたとしても、怪しげな食べ物を食べていれば「『腸』としての私がしっかりと微生物との関係」をおかしくし、不健康先進国米国の人たちと同じように、アレルギーになったり、肥満になったり、糖尿病になったり、はたまた鬱病になったりしてくれるはずなのですから。

 是非、共に情報をわかちあっていきましょう。そして、真っ当な山河や土壌や種子を子孫ために残していきましょう。

(2018年1月1日投稿)


posted by José Mujica at 11:15| Comment(3) | GMO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
2016年4月より別所温泉にIターン。中山間地で山と田畑の管理をしながら自然農法を目指しています。
2017年4月より、うえだ有機楽農会に属し、すみじい堆肥、アスカ菌、久保田さんに出会いました。
12月21日の食と農の会の学習会に参加し目を覚ましました。
此れからも宜しくお願いします。
Posted by 松井 務 at 2018年01月06日 09:56
ホセ・ムヒカこと管理人です。
松井 務さん
松井務さん。中山間地での自然農法。素晴らしいですね。愛媛の故福岡正信さんの庵跡は訪れたことがあります。よろしくお願いします。FaceBookとは違いますが、ブログも皆さんとのやりとりが命です。ご意見、ご質問があれば是非、お寄せくださいませ。
Posted by José Mujica at 2018年01月06日 10:59
今日初めて訪れました。
農業者です
このブログ記事 いずれも大問題のはずなのに ネット内はかなり賑わっているはずなんですが、公メディアでは 全く無視
まだ数本しか記事を眺めていませんが、いずれも 重要と思われます。

少しでも一般に知られたらいいと思い 閑古鳥ですが、当ブログで紹介をしました。
本来は、了解を得てからの紹介と思うのですが、省略しました。

もしだめだったら 申し出て下さい。
速攻削除します。

今後の記事アップ楽しみにしています。
Posted by 星 義広 at 2018年08月05日 15:55
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