2018年12月20日

日本のタネを守る会、種まきカフェ~いすみショック!学校給食に有機を

NPO法人民間稲作研究会 稲葉光国

ブータンでは100%有機農業に挑戦している

2018121904.jpg ブータンで田んぼで石拾いを山田正彦元農相としてきた。ブータンは2020年を目標に有機農業100%にしたいと国連で演説もした。一時的に農薬を無償で提供されたことがあったが農家はそれを使わなかった。転生輪廻を信じる敬虔な仏教徒信者が多いためである。もし再び虫に生まれ変わるとしたら農薬を撒けないではないか。そこで、農薬は家に山積みされ、シンジェンタに返された。ただし、除草剤は使っていた。それも、10aあたり16kgも使われている。農薬名で言えば、ブタクロル(Butachlor)。マーシェットである。この農薬は、インドから来ていて急斜面で散布されるために下流を汚染する。これをなんとかしたいと思っている。

 そして、ICUの田坂興亜元教授がこのことを耳にして「日本では除草剤を使わないでも防除できる技術がある」と話した。そこで、「その人物を連れてきてくれ」ということになり、私が一昨年に行った。いま、4カ所で無農薬稲作をやっている。実際、除草剤を使用しても駆除できない雑草、ヒエムシロがはびこっていた。これがゼロになるかならないかが勝負であったことから頑張った。出根性の雑草であることはわかっている。一番驚いたことに、暑いところだけに代かきをしたら20日後には土がみえないほど繁茂していた。けれども、代掻きをして発酵させると蟻酸、有機酸がでる。それが根を痛めることがわかっている。そこで、再度、代かきをしたらゼロになった。そして、現地の人はビックリした。「ヒルムシロが稲葉さんが来たら逃げていった」と。そこで、大丈夫だという自信がついた。チミバンで王立農場がある。ここを循環型のモデル農場にしたい。

大豆も多くの収量があがり成功

2018121901S.jpg 大豆は大成功であった。われわれの大豆よりも素晴らしい。ブータンは常にすずやかな風が流れている。収量も10aあたり120kgは取れている。おそらく主産地になる。この大豆から、脱脂大豆ができる。これは素晴らしい有機肥料である。有機栽培において一番問題なのは窒素がないことである。発酵処理をするとアミノ酸が窒素ガスになって逃げていってしまう。けれども、大豆はタンパクを40%も含んでいるためにさほど減らない。この効果で大変な成果がでつつある。それを田んぼにする。

石が多い水田で代かきをするためには大型機械が必要

 また、石が多い場所なので代かきをすると爪が壊れるだけではなく、シールが破けて水が漏れてしまう。錆びたりもするし、軸も壊れてしまう。そこで、石を壊すためにストーンクラッシャーを用いた。

 実は、福島原発事故の後に天地返しをしたら石がでてきた。つまり、これは原発事故でもなければ日本にはない機械であったのだが、これを現地にもっていった。40、50馬力のトラクターでは駄目で最低でも65馬力が必要である。

2018121902.jpg そして、150万円では買えない。輸送費込みで最低700万円がかかる。とはいえ、東日本大震災の際に、最初にカンパをされご挨拶に来日されたのがブータンのジグミ・ケサル国王である。そのお返しをしたいということで募金をかけ、おかげさまで700万円を突破した。

 次のゴールは、現地でも必要とされている食料である。大豆を肥料として使うと田んぼの初期生育がいい。イネからアレロパシーが出ると雑草も出なくなる。そこで、脱脂大豆を作る搾油機を入れたいと。これは、韓国でしか作っていない。日本製のものは駄目である。ドイツもこの機械を持っているが形状は韓国のものが一番よい。醤油をつくってもいいし、食べてもいいし肥料にも使える。福島の浜通りでも放射能汚染のためにイネづくりができないため、これを販売して農業を再建しようとしており、これが90haにまで広がっている。当時は150万円で機械が買えたが、今見るとなんと300万円になっている。余計なものはいらないので値引きしろと交渉し、ネクストゴールが250万円となっている。つまり、ブータンで食用油を販売して、その滓は肥料として全国に配る体制ができる。その夢が叶えそうになってきた。

県条例の制定と循環型農業

 さて、今日の本題である。県条例制定とイネ・麦・大豆の循環型有機農業で徹底抗戦をである。子どもたちの健やかな成長のために学校給食有機100%運動をである。

 私の農場で行っているのはイネがメインだが、麦、大豆、ナタネを組合せている。すべてが遺伝子組み換えになっていく中で、ただの「麦」では価格的に勝負にならない。20円、50円/kgのものが輸入されてきたら採算がとれない。けれども、有機農業にすれば350~400円/kgになる。有機農業にすればそれぐらいの値段にはなる。小麦も有機であれば20円のものが200円になる。ナタネもそれくらいの値段となる。つまり、コストをかけずに作らないと駄目である。それがメインの仕事になっている。

兵庫県豊岡村で有機が始まる

 一番最初に有機稲作を指導したのは兵庫県豊岡市である。中貝宗治市長から「コウノトリの野生復活のためにはドジョウやフナがいないと駄目だ」と言われた。魚道は宇都宮大学の先生が研究しており基盤整備にかかわった。

 地域的に有機農業が最も進んでいるのはここである。400haが除草剤が1回。200haが有機栽培である。そして、一番良いのがポット田植機である。マットに種籾を撒く。それだとどうしても根っ子を切ってしまうため活着がよくない。それを根本的に変えるのはポットにタネをまいて植える方法である。これだと1人で5haがマネジメントできる。

大豆は水田の窒素肥料工場

 次が大豆である。冬作としてこれを入れる。ふつうの播種は6月下旬だが、うちは7月中下旬に播種する。すると虫がつかないしバカのびしない。昨年は暑くてつるボケをすると実がならないし、虫も出た。けれども、我々の大豆は涼しくなったときに花が咲く。関東で1斗取ったのは我々の有機農業だけであった。麦を刈って大豆をまく。畑なので、ここに小麦を入れる。田んぼの雑草は1.5年も田植えを続ければなくなる。

 そして、大豆は24kg/10a窒素を固定する。まさに畑の肥料工場である。そこで、硫安がいらなくなる。大豆では窒素が大量にできるため窒素が強すぎ、その後にコシヒカリを作付すると倒れる。そこで麦を入れる。パン用小麦だけは養分が足りない。そこで、大豆を原料にした肥料を入れる。極めて低コストである。

 大豆は2回の中耕。田んぼは1回の中耕でよい。その後は冬作である。私どもは農薬を使わないが、赤カビ病で駄目になったことはない。イネもカメムシが騒がれているが農薬を使う必要がない。

 次が資源の循環である。リン酸は循環しないところがあるため、インドネシアのグアノを買っているが、これから鶏を飼おうと思っている。そうすれば完全循環が可能である。

ある形質をいじれば他に影響が出る

 我々は「3年は自家採種しなさい」と言っている。けれども、それ以降は、コシヒカリは丈が縮む。多収にはなるが味が悪くなる。モンサントは丈が短いコシヒカリを作ったが、どこかの形質をいじると他に影響が出る。現場をふんでいないのでこのことが学者連中はわかっていない。

「国際的に打って出ろ」というのが農水省の発想だが、真面目に考えてやっているので怖い。自分がやっていることの意味がわかっていない。

日本はどこを狙われているのか

 さて、何が狙われているのか。家族経営、そして、有機農業の世界を破壊するのがいまの種子法の廃止の狙いではないか。仕掛け人は多国籍巨大種子企業ではないか。外国が何を仕掛けているのか。それを見ておく必要がある。整理してみよう。まず、遺伝子組み換え農産物の販売促進の動きである。遺伝子組み換えの5%の混在表示が0%に厳格化されることで駄目になった。またゲノム編集も制約なしが明記されている。「検出なし」でなければ表示ができないと。そうすると豆腐や納豆から遺伝子組み換えではないという表示がすべて消える。

モノカルチャー農業では乾燥のためのグリホサートが必要となる

 これは10台のコンバインが動いている海外の写真である。こうしたところで近代農業はなされている。さて、平地であっても微妙に土地には高低差があり、低い所が水が多いと生育が遅くなる。すると一緒に刈ったときに実が入っていないと小麦は吸湿性があるために黴びる。そして、湿気が高いと虫がわく。そして、保管するのも難しい。我々は13%に乾燥させて保冷庫に入れてしまうのだが、品質保持のために、輸入小麦はグリホサートを使い乾燥させるのである。

有機農業に転換すれば2万円でコメが売れる

2018121906.jpg さて、いま1万2000円の慣行栽培米だが、TPP批准とFTAで80~120円/㎏のコメが輸入されると、どうなるか。2016年産米の生産費(農水省農業経営統計調査)では、今はギリギリ3~5haで採算があうのだが農業経営が成り立たなくなる。多国籍企業や民間企業はスマート農業や外国人労働者の酷使で競争できるし、採算無視の兼業農家も生き残れるが、慣行栽培は経営破綻する。そこで、有機農家に土地が集まることになる。我々の会員では最大が50ha、少ない人で20haだが、営農集団を作っても将来が見えないために有機に転換したいと。そういう声が出ている。例えば、ある会社が200haを営農集団でやっているのがその半分の100ha有機に転換すると。これに答える技術を作らないといけない。有機になれば2万円になる。そこをやっていきたいと思っている。兼業農家は採算なしで先祖のために水田を残している。それでも、高齢化で止めていく。このあたりは八木岡組合長からも話があったのでここは省く。

加工油の恐ろしさ~河川汚染

 次に大豆とナタネ。この輸入量は相当である。理由は搾油のためである。脱脂大豆が家畜の餌になるからである。醤油の80%も脱脂大豆を使っている。そして、国産で醤油を作っているのは私のところしかない。あとはみな溶剤抽出である。これは、食用でないので許可になっている。

 輸入大豆、なたね、トウモロコシと推計1700万t(米の円環消費量の2倍)が輸入されているのだが、ほとんどが遺伝子組み換えである。例えば、大豆の国内自給率は7.3%。米国からの輸入が71.4%(うち93%がGMO)、ブラジルからの輸入が16.4%(うち89%がGMO)。ナタネは自給率が0%。カナダが91.5%を占めるが、うち97.5%がGMOである。トウモロコシも国内自給率は0%で、米国が96.5%を占めるが、うち88%がGMOである。

 さて、市販のサラダ油の製造工程だが、これはJAS規格になっている。まず、ヘキサンに浸ける。ヘキサンとはキャブクリーナーに使う溶剤である。そして、油が出てくると80~90℃に加温して分離する。次が脱色行程になる。ここでβカロチンがなくなる。ビタミンE、ビタミンAもなくなる。さらに、脱臭のため200度にする。ここで、トランス脂肪酸ができる。少しでも濾過が不十分だとカニ泡がでる。これをなくすために消泡剤を入れる。そして、ビタミンEは後で添加している。

 こうした油は酸化してしまうと油酔いをする。我々は酸化度があがらない。けれども市販のものは1からスタートして、すぐにあがり3になったら捨てる。こうしたまともな油を消費するようになれば油の使い残しも河川汚染もなくなる。輸入しているからいけない。これを根本的に改めることが自給運動である。

ラウンドアップとネオニコチノイドで子どもたちが危機に瀕している

 米国では、グリホサートによってセリアック病が増えている。小腸の絨毛組織が破壊されるためだ。そうすると食べても太れない。また、これは印鑰智哉さんが送ってくれたデータだが小麦に含まれるラウンドアップが腸壁を破壊する。

 2018121907.jpgまた、1990年代以降のネオニコチノイド系農薬と自閉症等の子どものデータである。これは前川事務次官が辞められる前の最後の置き土産だと思うのだが、特別支援教育の現状、子どもの異常のスタートがネオニコチノイドが使われた時期とまったく合致していることがわかる。2003年からジノテルランが大量に使用され、見事に急増している。

 そして、その理由も木村・黒田純子博士のシナプスの発達障害の研究から明らかになっている。最初に博士が研究をしたのはAHDAの子どもが増えて学究崩壊しクラスが維持できなくなってきているためであった。そこで、かなりの金銭を使ってようやく突き止めたのがネオニコチノイドへの長期曝露の影響である。ニコチンを用いて実験的に確かめられた。EU議会はこのデータを参考に予防原則を適用し使用禁止になったのだが、日本では安全であるとして基準が緩和されている。

 ネオニコチノイドは農家も便利なために使っている。ゴキブリホイホイや猫の首輪に入っているために、都市住民も知らないうちに使っている。農薬メーカーに忖度しているのか、この危険性をどこも指摘しない。それが医薬関連企業も儲けのもとになっているからである。

 いま、農村では、赤とんぼがいない。ヤゴもいない。イナゴは「イネの子ども」と書く。7月下旬にイナゴが飛び交うのだが、プリンスという農薬、フィプロニル農薬が撒かれると口をあけたまま赤とんぼが死んでいく。

殺人が起こるのも農薬汚染のため

 農薬(フィプロニル農薬)が神経伝達物質、ギャバ(GABA=Gamma Amino Butyric Acid、γアミノ酪酸)をブロックすることもわかってきている。ギャバはドーパミン等の興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えてリラックス状態をもたらす作用がある。玄米を発芽させると増える成分だが、これを食べさせている幼稚園の園児は穏やかで落ち着いた子どもに育つと言われている。一方、これが失われると、人を殺したくなる。思春期はもともとギャングエイジなのだが、暴走しっぱなしとなる。名古屋大学の生徒が「殺したいという衝動を抑えられない」といっていたのも本人の責任ではなく、化学物質のためではないか(注)。

 宇都宮大学農学部の宇田靖教授の分析によれば、コシヒカリには0.5mg/100gしかギャバが含まれていないが、我々のもち米には、12.6mg/100gとその24倍も含まれている。中国からもらった黒米もアレロパシーが強くコナギが死んでしまうほどで、タネがボロボロに落ちてしまう古代米だが、なんとか落ちないもの選抜し、それを増やしていった。これを食べると癌が治ってしまうのである。

豊岡村からはじまったいすみ市の学校給食の転換

 さて、豊岡村では特別栽培米では前にはネオニコチノイドを使っていたが、2015年にネオニコチノイド不使用宣言をした。最初は7名であったが、それが200名、300名に増えた。

 千葉県のいすみ市は、この仲貝市長の話を聞いた。いすみ市もトキもコウノトリも住める環境づくりをしているのだが「誰に指導を受けたのか」と聞いて、2012年5月に「自然と共生する里づくり連絡協議会」を設立した。有機農業だけでない多くの人に呼びかけ25人が集まった。

 そして、1年目が成功した。前年は1反で試験的にやったらコナギだらけだったのでギブアップしたのだが同じ田んぼで雑草がゼロになった。そして、担当の役場の職員が熱心に指導してくれた。農家も素晴らしい。2013年から始まった有機稲作は順調に広がり、2017年に50tの有機米ができ、学校給食が10月には100%有機米になった。有機で買い取るときには2万円である。差額が7000円。この350万の財政負担を市が負担すると。それを職場では話すと大きな拍手が沸いた。担当者もこれでいけるというのでスタートした。

 また、木更津市がやりたいといっているし、福島県(北海道?)の深川市がスタートアップしている。行政を含めてわかると、がらっと状況が変わる。自治体ぐるみで推進すれば変わることがわかっている。そこで、今年の秋から転換をコーディネートしている。例えば、昔は北関東は小麦の産地だった。そこの自給率を8割にしていく。1人で5ha。一家族で10ha。これで日本の自給率は100%になる。農の原点はなにか。子どもたちの学校給食から始める。それに反対する父兄はいないはずだ。それを私の最後の訴えとしたい。

大豆の遺伝子の交雑が危険なために条例で抵抗する

 例えば、ラウンドアップの大幅緩和規制緩和を働きかけたのはグリホサートを作っている会社ではないか。国際的には人気がない。薬害栽培を受けているため、ジェネティック農薬に生産を切り替え、登録緩和を狙っている。このため、農薬取締法の改正がなされた。

 実際、彼らは「日本は薬を製造することは優れているが販売力が劣っているためジェネリックを大きく作らせる」と書いている。もうひとつは、ミツバチが大量に死ぬネオニコチノイド。その評価基準を入れるというのがあったのが改正の中身だが、同じ会社ではないか。実に巧妙に種子法一個だけではない。全部あわせて仕掛けている。外堀を埋めてきている。これは、子どもに対する大きな攻撃である。

 栃木県では2018年12月14日に超党派の「種子の会」が結成され、1月から種子法の検討を開始する予定である。野菜種苗、イチゴなどを盛り込む考えだが、在来大豆の保全と普及、遺伝子組み換え大豆の栽培制限の条項追加を要請している。

「超党派で対応しなければいけない」。との関係者の一致した方針で、意見書を出す方向で協力し合うことになった。14日に呼びかけ人会議が開催され、知事と県議会議長宛に意見書を出すことになっている。

 栃木で栽培されている在来大豆は、いずれも美味しく、豆腐の食味コンクールで金賞、銀賞をとったのが有機の在来大豆で、味噌にしてもおいしい。しかし、この大豆は皆のもので、個人の所有権はない。そこで、種苗法に守られた種苗会社が出てくる。

 多国籍企業は虎視眈々と狙っている。いまは、自由にタネを持っていっていける。そこで、その遺伝子を変えてしまう。例えば、いまの大豆は子実が付く場所が低いが、内外の種苗会社がその種子を遺伝子編集などの技法を使って子実が茎の高い場所に付くようにすれば、収穫ロスが少なくなって販売が一気に拡大するかもしれない。そうなると、在来大豆は消えてしまい、そうなると在来大豆は消えてしまい、遺伝子操作・編集会社、例えばバイエル・モンサント社等の種子を購入して作付けせざるを得ない可能性が出てくる。

 在来大豆も気が付いたらモンサントのタネを買わないと栽培できない状態になる可能性がある。そこで、品種の改良を含め、在来種子の調査と保存・普及の仕事を県の責務としてやってもらいたいと考えている。

2018121905.jpg 大豆は自家受粉だから交雑しないとなっているが実際には交雑する。この写真の上が丹波篠山の黒豆。抗酸化力もあり癌にならない。そして、右側のサトウイラズは甘いきな粉になる。これを隣り合わせで栽培すると交雑する。黒い大豆と一緒に作るからわかるが、大豆同士だとわからない。つまり、遺伝子組み換え大豆やナタネを近隣で栽培されると、交雑が起きるため、有機大豆や有機ナタネはJAS法違反になり認定されなくなる。そこで、水戸納豆で有名な茨城と組んで、北関東は遺伝子組み換え・編集大豆は入れさせないと県条例に明記したいと考えている。栃木はイチゴの産地でもある。栃木県農試験が作っているためこれを入れようという意見も出ており、どう織り込むか検討する予定のである。

質疑応答

会場 いすみ市での生産農家は何人か。

稲葉光國 25名である。数としては少ない。特別にあるグループを優遇しているわけではない。時期が来ればやってみたいと思っている。

ブータンのコメ自給を達成するには

会場 稲葉さんの農場を見させてもらっている。自分でも田んぼをやっているが、最初のところで話されたブータンの話だが、ブータンのタネは基本的にはブータンで作られているものなので日本の技術とマッチするのであろうか。

2018121903.jpg稲葉光國 一番のテーマである。ブータンで作られているのは赤米、古代米。田植えをしても水がなくなることがある。それでも生き残れるのが古代米である。分けつが小さく、穂も小さく、こぼれる。収穫後も切った株を打ち付けて脱穀している。古代前しか作れない。西岡京治(1933〜1992年)さんが持っていったのは農林11号である。定着しているが広がっていない。これは脱粒性がない。そこで、足踏み脱穀機がないと収穫できない。それが足を引っ張っているために、いま、ブータンの米の自給率は50%である。収量は籾で300kg。これを倍にしないと駄目である。古代米だけでは駄目である。いま、ササニシキを誰も作らないが、ササニシキと日本晴れをもっていけば自給率問題は解決する。水さえ整備されれば気象条件は日本より恵まれている。

会場 中国からの侵入はどうか。

稲葉光國 微妙なバランスである。有機農業100%を公約した正統は、いま第三党となっている。第1党は中国と仲良くしているが、その前はインドと仲良くしていた。彼らはしたたかにわかっている。

金子美登 2001年に転換の切っ掛けがあった。2003年に小麦も有機農業に転換し、2008年には米も転換。コツコツやってきたことが信用を得た。いま、再生産可能な価格で全量を買い上げてもらっている。うちの集落は30haだが、集落全部が転換した。2006年には有機農業推進法ができた。小川町も7月、8月は40℃を越した。つるボケがおきた。収量が少ない。これから小川町全体で広がりができていければいいと持っている。

【画像】
チミタンの風景は山田正彦元農相のブログより
国王の画像はこのサイトより
西岡京治氏の画像はこのサイトより

(注) 2014年12月7日、名古屋大学理学部の学生、大内万里亜が、エホバの証人の勧誘で訪問してきた森外茂子 (77)を斧で殺した事件

編集後記

 稲葉光國さんとお会いしたのもずいぶん前になる。けれども、ちょうど1年前の12月16日に日本のタネを守る会の主催で開催されたタネカフェ「山田正彦元農相の講演会「種子法廃止とこれからの日本の農業について」の場で再び再会した。本当に1年という歳月が去るのは早い。とはいえ、時代は確実に動いている。稲葉さんの話で驚かされたのは、ブータンもさることながら、有機農業の可能性だ。同時に、遺伝子組み換え大豆交雑の恐ろしさ、そして、油を含めて日本の食生活がメチャクチャになっていることが実に良くわかる。こうした動きを知れば、まさに遺伝子組み換えの規制、そして、ネオニコチノイドを含めた農薬規制こそが日本が再生されるための本流であって、改めて「日本のタネを守る会の運動」が間違っていないことを感じさせてくれる。と同時に、ただ種子法が廃止された以上、その法律だけを補完すればいいという小手先の手段ではなんら解決策につながらないことも見えてくる。稲葉さんの話からも見えてくるのは、ビックピクチャーで世界を見て、そのうえで、例えば、学校給食に有機米をといった具体的な目に見える手段でひとつひとつ世界を変えていくことの大切さだ。

 真っ赤にそまったケヤキをみながら、タネ、食べ物、食農が連動しているのを感じた1日であった。技術はすでにある。あとは、それをどう実践するのかだけなのだ。
(2018年12月8日)

posted by José Mujica at 06:00| Comment(0) | 講演・学習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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