2019年04月15日

タネが売られる?~ベストセラー作家、長野県種子条例案に着目

はじめに

 「種子法廃止」の問題を連続してとりあげてきたSBCラジオ(信越放送)の「Jスポット」の4月15日のテーマは「種子法廃止」とTPPについて、国際ジャーリスト堤未果さんが搭乗した。ということで、この放送をテープ起こししたものも紹介しておこう(1)

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久保正彰 様々な話題をアラカルトでお送りするJポイントのコーナー。さて、この時間、昨年の4月から長野県民にとっても大切な「農業」と関連する法律やその現状について紹介をしてきました。スタジオには、生田明子アナウンサーです。

生田明子 おはようございます。今日もよろしくお願いします。主要農作物種子法。種子法の廃止から1年が経過しました。まだまだこの法律、知られていないなと、取材を続けていても感じています。改めてこの「種子法」とは、日本の主食である、稲、麦、大豆に関して、国民が飢えることのないように、安定した価格で購入できるようにと「公共のタネ」を開発することを都道府県に義務付けていたという法律です。

久保正彰 うーん。1年紹介してきましたけれども、いろいろな、その直々の注目を集めるニュースに比べるとちょっと地味目というかなかなか取り上げられることが少ないですよね。

生田明子 その通りなんですよね。そのような中、昨年の秋に発売された1冊の本があります。幻冬舎新書から発売されている「日本が売られる」。昨年の10月に販売されてから増刷を重ねているベストセラーなんですけれども、「タネが売られる」としてこの本の中では種子法廃止問題も取りあげられています。今日は、この本の著者の国際ジャーナリスト・堤未果さんにお話を伺います。まず種子法の廃止には、どんな背景があったのか、堤さんのお話をお聞きください。

TPPの前準備として種子法は廃止された?

mika-tsusumiS.jpg堤 未果 一言でいうとTPPの流れにそった前準備だったということですね。種子法廃止。それから、自家採種の原則禁止、それから農業競争力支援強化法、あれ全てですね。あーいった法改正の根っこ、というのはつながっています。日本はですね、 TPP が交渉の最中からですね、アメリカの意向に沿って国内法を変えるという方針でずっとやってきていたので、すぐに閣議決定をしてすぐにこの彼らの要求に沿って改定したということですね。

 ただアメリカといっても、アメリカという国家ではないです。アメリカの農家ですとか、バイオ業界、農薬メーカーアメリカを中心とした企業群、多国籍企業群というふうに思って頂いたほうがいいかと思いますね。彼らは2014年に、自家採種廃止とかですね、そういったものを TPP を交渉していた米国通商代表部に要求してたんですね。今はですね、政府が一部の企業側を向いているような法改正というのが非常に多いので、これ無関心でいるとですね。本当になし崩しに自分たちの食ですとかそれから暮らしですとか、そういうものにどんどん値札がつけられてしまうんですね。

 タネに限って言えば、それぞれの国が持っている、例えば、主食のタネを必ず政府が保証すると。支えていくと。それから、各国の農家が自家採種をして、自由にタネを開発していくと。ということをやられると、非常に商売がやりにくいので、その辺は全部取っ払って自由化して、それで、企業同士が、まあ、自由にビジネスができるようにと。そういう流れがいま世界的に起きています。その流れに沿って日本にも、そういう流れが来てるということですね。

TPP11で米国が離脱した後、さらに厳しい要求が求められていく?

久保正彰 ただ、TPPは、アメリカは、まあ離脱してしまって。日本はそのアメリカから言われたことを、国内法を変えているということなんですね。

生田明子 はい。そして、日本はこんなふうに考えていると堤さんは分析しています。

堤未果 アメリカが抜けた後も、今の日本の政権は TPP は11カ国でもやろうということで、旗ふり役をしたんですね。で、結局TPPイレブンは、締結されました。ただし、それはアメリカがいつでも戻って来られるようにという前提なんです。日本の政府はまあアメリカに戻ってきてほしいというふうに思っているので、アメリカが TPP に戻ってくる条件は TPP 以上の譲歩を日本から引き出すということ。これは今、日米の2カ国で交渉が始まっているFTA、二か国の国際条約の交渉の中で進めていることなんですね。

久保正彰 まあ、そういった世界の流れが世界では起っていると。一方で、この長野県では阿部知事が「種子条例を決めよう」ということで、今年の6月県会に条例案を出すということで、骨子案も県のホームページに掲載されているんですね。

生田明子 はい、パブリックコメントも終了しています。これについて、どのようななご意見なのかも気になります。再び堤さんです。

長野県の方向性は素晴らしくずっと注目

堤 未果 「日本が売られる」という本に私も長野県のことを書いたんですが、種子法が廃止された後に、いろんないくつかの自治体で自前の種子法を復活させるという動きがあるんですね。で、その中で、特にこの長野の条例というのは、これまず、県民から意見を広く集めたということ。それから、長野県の場合は、元々の種子法を復活させるというだけではなくて、例えば、名産品の蕎麦ですとか、信州の伝統野菜も対象にしている。これは非常に大きな意味があると思います。ただ廃止された従来の法律を元に戻すということではなくて、本当に、あの長野県にとって、例えば、食の安全ですとか、安定供給を守るということがどういう意味を持つのか。これは、県民にそれを問題提起して食に関する未来の設計図を県の中で考えたということですから、私はあの、素晴らしい方向性だとずっと注目をしていました。

生田明子 現在、堤さんは、この本の販売をきっかけに、全国で講演活動を行っています。種子法廃止から1年が経過しました。今どんな実感をお持ちなのかお聞きしました。

種子法の廃止が知られていない~なし崩しに暮らしの基盤が失われることを懸念

堤 未果 そもそも種子法というもの自体を、これだいたい一年経っていますが、私、全国公演していてほとんど知りません。知られてないし、法律って難しいので、なかなか伝わっていかない。なので、問題意識として、人々の関心に引っかかってないところがやっぱり非常に多いんです。なので、あの、これ知らないままで行ってしまうとですね、非常に危険で、今ですね、世界中で、例えば、命の源である「タネ」ですとか、それから「水」ですとか、そういった水や食料。つまり、私たちは生きていくのに絶対に必要なものというのが、値札が付いてるわけですね。生きていくのに絶対必要なものであれば、商売にすればそれだけ高く売れる。

 これは武器を使うのとは違って、目に見えない形で外国に対して影響力を持てるので、儲かるというだけじゃなくて、政府にとっても効率がいい。政府と企業が手を結んで、世界的に他の他国の政府にも、やりましょうということで広げてるわけです。

 で、特にあの食の問題というのは、あの、ただ、これ農家さんの話ではないので、安全なものを食べて健康に暮らしたいということに皆さんが関心をもたないで、なし崩し的になっていた時に、これ取り返しがつかない事になってからひっくり返そうとしても非常にこれ、難しくなると思うんです。いやまったく皆さん、本当にご存じないので、くりかえし くりかえし広めていかないと法改正の方がスピード早いので、非常に危ないというふうに思いますね。企業ですとか、外国ですとか、そういうに食をにぎれられた時に、どうなってしまうか。外国の例なんかもね、しっかり知ってもらいたいと思いますね。

久保 正彰 なるほどねぇ。

生田明子Akiko-Ikuta.jpg 堤さんが「法改正がハイスピードだ」と懸念されていますように、種子法廃止だけでなく、これまで農家の権利として認められていた、自分の家で種をとって植物を育てるという、自家採種・自家増殖が大幅に制限されるという「種苗法」の自家採種原則禁止にむけた動きというのもあります。

 この番組では、長野県が制定しようとしている条例も紹介してきましたが、私たち県民のいのちと暮らしを守るうえで、改めてこの条例の大切さを実感しています。堤さん自身「日本が売られる」の中で「中央政府が国民の声に耳を傾けなくなったとき、自分たちの住む地域から小さな変化をおこしていくことが有効だ」としまして、イタリア等海外の事例と並んで、長野県のこの条例づくりをとりあげています。

 堤未果さんは、今月の26日(金)、長野県内での講演を予定されています。場所は、松本市勤労者福祉センター。時間は、午後6時30分からとなっています。入場料は500円です。

久保 正彰 はい。今日は「日本が売られる」著者の堤未果さんのお話を生田アナウンサーのリポートでお伝えしました。

【画像】
久保正彰アナウンサーの画像はこのサイトより
生田明子アナウンサーの画像はこのサイトより
堤未果さんの画像はこのサイトより

【引用】


posted by José Mujica at 12:30| Comment(0) | 種子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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